吸血鬼・九掌篇(7)「世界の屋根にて」(期間限定公開)
「? 香、ですか」祈祷旗(タルチョ)が唸るように激しくはためくベース・キャンプには、独特のきつい匂いが漂う。標高五千二百米のこの地には珍しい。僕は、登山部ですらない一学生だが、体力と写真の技能を見込まれて登山隊に参加したのだ。
「ああ。インセンスは魔除けでもある。日本でもそうだろう」ケヴィンが答えた。「『彷徨える登山家』に出くわさぬようにな」……
----------
昨年末にコンテストに提出した吸血鬼掌篇です。
| 固定リンク
|
「創作掌編」カテゴリの記事
- 【掌篇】海鬼燈賣り(2009.09.03)
- 【怪談】魔手(2009.07.22)
- メトロ文学館の詩で入選(2009.07.16)
- 匂い無く 手にも触れ得ず 闇桜(2009.04.15)
- この春も 独り木の花(このはな) 咲き過ごす(2009.04.15)


コメント