三島由紀夫の「剣」
久々に文学らしい本を読む。やはり大したものだ。この人の語彙は十万語以上あるんじゃないだろうか。しかも読んで理解するだけでなく、自分の文章の中で使えるのは凄い。年譜を見て(知ってはいたものの)その早熟さに改めて感心する。13歳で広辞林を「読み」とあるが、最初から読んだということだろうか。若い三島を見る機会があれば、相当嫌なマセガキに見えただろう。
しかし、周りが見えなくなる三島の「陶酔の文学」には最後まではついていけない。「剣」にしても終わり方は納得がいかない。そもそも中高生以上に対しては、体罰よりも社会的懲罰の方がはるかに効果的と考える。かといって、村上春樹の「無関心の文学」もいやなのだが。文学では矛盾したメッセージを込めることができるが、問題提起としては複数の解釈が可能になり、あいまいになる危険性もある。それは思想の媒体としての文学の限界だろう。
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